リモート管理 (Advanced Management)

リモート管理 (Advanced Management)

リモートデスクトップまたはリモートアシスタンス向けのワークロードへの接続

リモートデスクトップとアシスタンスは、組織内のワークロードに接続して、リモート制御やリモートアシスタンスを実行する便利な機能です。
2022年12月より、NEAR、RDP、Apple画面共有の各プロトコルの機能がサポートされています。

リモートデスクトップ機能を利用して、以下のタスクを実行できます。

  • 表示のみモードでNEARを使用して、Windows、macOS、Linuxのワークロードにリモートで接続する。

  • RDPを使用して、Windowsのワークロードにリモートで接続する。

  • 表示のみモードまたはカーテンモードでApple画面共有を使用して、macOSのワークロードにリモートで接続する。

  • クラウドのリモート接続を使用して、管理対象ワークロードに接続し、リモートで制御する。

  • ダイレクトリモート接続を使用して、非管理対象ワークロードに接続し、リモートで制御する。

  • Acronis クイックアシストを使用して、非管理対象のリモートワークロードに接続する。

  • リモートワークロードの資格情報、監視または制御の許可要求、アクセスコード(クイックアシスト向け)など、さまざまな認証方式を使用してリモートワークロードに接続する。

  • マルチビューで複数のモニターを同時に観察する。

  • リモートセッションを記録する(NEAR経由の接続時)。

  • セッション履歴レポートを表示する。

リモートアシスタンス機能を利用して、以下のタスクを実行できます。

  • 制御モードでNEARを使用して、Windows、macOS、Linuxのワークロードにリモートで接続する。

  • 制御モードでApple画面共有を使用して、macOSのワークロードにリモートで接続する。

  • クラウドリモート接続を使用して、ワークロードにリモートアシスタンスを提供する。

  • ローカルとリモートのワークロード間でファイルを転送する。

  • リモートワークロードに対し、再起動、シャットダウン、スリープ、ごみ箱を空にする、リモートユーザーのログアウトなどの基本管理操作を実行する。

  • リモートワークロードのデスクトップのスクリーンショットを定期的に取得し、リモートワークロードを監視する。

重要
管理対象ワークロードのリモートデスクトップおよびアシスタンス機能をすべて有効にするには、ワークロードにリモート管理計画を設定し、適用する必要があります。
1件のワークロードに適用できるリモート管理計画は1つだけですが、ニーズに応じて、異なるリモート管理計画を構成し、別のワークロードに適用することができます。

例えば、RDPプロトコルのみを有効にしたリモート管理計画を作成し、いくつかのワークロードに適用することができます。
これにより、ワークロードごとにAdvanced Managementライセンスを有効にすることなく、これらのワークロードにリモートで接続できるようになります。追加の費用は発生しません。

一方、NEARとApple画面共有プロトコルを有効にした別のリモート管理計画を作成することもできます。
この場合、Advanced Managementライセンスはワークロードごとに有効化され、このリモート管理計画が適用される各ワークロードについて費用が発生します。

注意
リモートデスクトップとアシスタンス機能が必要です。

  • 管理側(ホスト)のワークロードで、接続クライアントのワンタイムインストールを実行します。
    ターゲットワークロードに対して初めてリモート操作(リモート制御またはリモートアシスタンス)を実行しようとすると、システムからクライアントをダウンロードするよう促されます。
    または、保護コンソールの [ダウンロード] ウィンドウから接続クライアントをダウンロードすることもできます。

  • 管理対象ワークロードに接続エージェントをインストールします。
    接続エージェントは、バージョン 15.0.31266以降の保護エージェントに含まれているモジュールです。

  • macOSのリモートワークロードの場合、必要なシステム許可を接続エージェントに付与する必要があります。


サポートされるプラットフォーム

リモートデスクトップおよびアシスタンス機能の各コンポーネントでサポートされているオペレーティングシステムを次の表に示します。

リモートデスクトップコンポーネントサポートされるプラットフォーム
接続クライアント
  • Windows 7以降

  • macOS 10.13以降

  • Linux:

    openSUSE 8

    Debian 9, 10

    Ubuntu 18.0-20.10

    Red Hat Enterprise Linux 8

    CentOS 8

    Fedora 31-33

    SUSE Linux Enterprise Server 15 SP2

    Linux Mint 20

    Manjaro 20

接続エージェント
  • Windows 7以降

  • Windows Server 2008 R2以降

  • macOS 10.13以降

  • Linux:

    Red Hat Enterprise Linux 8、8.1

    Fedora 30

    Ubuntu 18.4 LTS(Bionic Beaver)~19.04(Disco Dingo)

    Debian 9, 10

    CentOS 8

    openSUSE 15.1



リモート接続プロトコル

リモートデスクトップ機能では、リモート接続に以下のプロトコルを使用します。

NEAR

NEARは、Acronisが開発した高度にセキュアなプロトコルであり、次のような特徴があります。

  • H.264
    NEARには以下の3種類の品質モードが実装されています:スムーズバランスシャープです。
    スムーズモードの場合、NEARはmacOSとWindowsのハードウェアH.264エンコードを使用してデスクトップ画像をエンコードします。
    ハードウェアエンコーダが使用できない場合はソフトウェアエンコードにフォールバックします。
    画像サイズは現在、フルHD解像度(1920x1080)に制限されています。
  • アダプティブコーデック
    バランスおよびシャープ画質モードの場合、NEARでは、H.264が使用するビデオモードとは異なり、32ビットでフル画質を実現するアダプティブコーデックが使用されます。
    バランスモードでは、ネットワーク状況に応じて画質が自動的に調整され、現在のフレームレートが保持されます。
    シャープモードでは、画像はフル画質ですが、ネットワーク、プロセッサ、ビデオカードに負荷がかかっている場合、フレームレートが低下することがあります。
    WindowsとmacOSのグラフィックドライバで利用可能な場合、アダプティブコーデックにより、OpenCLが使用されます。
  • サウンド転送
    NEARでは、リモートコンピューターの音声をキャプチャし、それをホストに転送することができます。
  • さまざまなログインオプション
    リモートワークロードにログインするために、次の手順を使用できます。
    アクセスコード:リモートワークロードにログインしているユーザーがクイックアシストを実行し、アクセスコードを伝えます。この方法では、常に現在ログインしているユーザーのセッションに接続します。
    ワークロード資格情報: ワークロードに登録されている管理者資格情報を使用して、リモートワークロードにログインします。
    観察または制御の許可を求める: リモートワークロードにログインしているユーザーに、接続の許可/拒否について尋ねます。
  • セキュリティ
    データは、NEARのAES暗号化により必ず双方向で暗号化されます。

RDP

Remote Desktop Protocol(RDP)とは、Microsoftが開発した、ネットワーク経由でリモートのWindowsコンピューターに接続するための独自プロトコルです。

Apple画面共有

Apple画面共有は、macOSバージョン10.5以降に搭載されている、Appleが提供するVNCクライアントです。


リモート音声のリダイレクト

接続クライアントは、NEAR接続プロトコルによる音声ストリーミングをサポートしています。

リモートのWindowsワークロードからの音声をリダイレクトする

Windowsワークロードの場合、リモートの音声は自動で送信されます。
リモートワークロードに音声出力デバイス(スピーカーまたはヘッドホン)が接続されていることを確認してください。

リモートのmacOSワークロードからの音声をリダイレクトする

macOSワークロードからの音声リダイレクトを有効にするには、以下を確認します。

  • ワークロードに保護エージェントがインストールされている。

  • ワークロードにサウンドキャプチャドライバがインストールされている。

  • ワークロードのリモート接続でNEARプロトコルが使用されている。

注意
macOS 10.15 Catalinaの場合、接続エージェントにマイクの使用許可が付与されている必要がある。

このエージェントは、以下のサウンドキャプチャドライバで動作します:SoundflowerまたはBlackhole。

最新バージョンのインストール方法については、Blackholeのwikiページ(https://github.com/ExistentialAudio/BlackHole/wiki/Installation)を参照してください。

注意
接続クライアント
は現在、Blackholeの2チャンネル版のみをサポートしています。

また、ワークロードにHomebrewがインストールされている場合、以下のコマンドを実行して、Blackholeをインストールできます。

注意
リモートのmacOSワークロードの音声がリダイレクトされている場合、リモートワークロードにログインしているユーザーには音声が聞こえません。


リモートのLinuxワークロードからの音声をリダイレクトする

リモートサウンドリダイレクトは、ほとんどのLinuxディストリビューションで自動的に動作します。デフォルトでリモートのサウンドリダイレクトが機能しない場合は、以下のコマンドを実行して、PulseAudioドライバをインストールしてください。


リモートデスクトップまたはリモートアシスタンスのリモートワークロードへの接続

リモートデスクトップおよびリモートアシスタンス機能では、ワークロードに対するリモートダイレクト接続またはクラウド接続を確立するための、複数の方法が提供されています。

直接接続は、エージェントがインストールされていない接続クライアントとリモートワークロードの間で、ローカルエリアネットワーク(LAN)のTCP/IPを介して確立されます。インターネットアクセスは必要ありません。

クラウド接続は、接続クライアントとワークロード上のエージェントまたはクイックアシストとの間で、Acronisクラウドを介して確立されます。

クラウド接続のオプションの詳細については、次の表を参照してください。

クラウド接続クラウド接続オプション表示モードサポートされるリモート操作使用可能:
NEAR経由

接続クライアントから接続エージェント

接続クライアントからクイックアシスト

制御

表示のみ

リモートデスクトップ

リモートアシスタンス

管理対象ワークロード
RDP経由

接続クライアントから接続エージェント

Webクライアントから接続エージェント

制御

リモートデスクトップ管理対象ワークロード
Apple画面共有経由接続クライアントから接続エージェント

制御

表示のみ

カーテン

リモートデスクトップ

リモートアシスタンス

管理対象ワークロード


直接接続のオプションの詳細については、次の表を参照してください。


直接接続直接接続オプションサポートされるリモート操作使用可能:
RDP経由

接続クライアントからRDPサーバー

リモートデスクトップ非管理対象ワークロード
Apple画面共有経由接続クライアントからApple画面共有サーバー

リモートデスクトップ

リモートアシスタンス

非管理対象ワークロード

    • Related Articles

    • ワークロードの監視管理 (Advanced Management)

      ワークロードのヘルス状態とパフォーマンスを監視する 組織内のシステムパラメータやワークロードのヘルス状態を監視できます。 パラメータが基準値から外れている場合、すぐに通知され、問題を迅速に解決できます。 また、カスタムアラートと自動対応操作を構成できます。 これらは、ワークロードの異常な動作を解決するために自動的に実行される操作です。 注意 監視機能を利用するには、ワークロードに保護エージェントの15.0.35324以降のバージョンをインストールする必要があります。 計画の監視 ...
    • パッチ管理 (Advanced Management)

      パッチ管理 注意 この機能を利用できるかどうかは、現在のアカウントで有効になっているサービスクォータによって異なります。 Windows OSでサポートされる、サードパーティ製品の詳細については、「パッチ管理がサポートするサードパーティ製品のリスト(62853)」を参照してください。 パッチ管理機能を使用して、以下の操作を実行できます。 OSレベルとアプリケーションレベルのアップデートをインストールする パッチを手動または自動で承認する ...